1月にカーボンニュートラルについてお話ししました。
国が、子供達の未来の為にも地球温暖化の進行をここで止める具体策として考えられたZEH(ゼッチ)の住宅。
しかし、これから家を考えている人にとっては初めて聞く人も多いのでは?
すでにZEH(ゼッチ)の住宅が建てられるようになって6年近く経ちます。
今ではこの仕様が標準化している会社が多くあります。
これからお家を建てたいと思っているいる人はZEH住宅の意味を把握して、吟味してみましょう。
ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、
「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。
簡単に言うと!
保温効果(断熱性能)が高く、給湯器などの設備が高性能・高効率で、電気をあまり使わない家(省エネ性能が高い)。さらに、太陽光パネル等で自家発電し、電気の自給自足を目指した家!
そう!暮らしやすくてランニングコストが良いのがZEH住宅の魅力です!
ZEH住宅は、住まいの性能を高めて住宅の快適性をアップすることを目指す住宅で、性能を高めるために、建築のイニシャルコストは多少かかりますが、補助金制度などをうまく使って費用を抑えることが可能です。ランニングコストが少なくて済むので、30年のトータルで見るとコストメリットは大きいと言えます。
しかし補助金を受けるのにZEH住宅として認証を受けるためには、いくつかの条件をクリアしなければなりません!
ここからは、基準の説明とメリットデメリットも詳しくご説明いたします。
- 基準値以上の気密性が高い住宅にすること (断熱性能)
UA値で表される強化外皮基準が、地域ごとに定められた基準値を満たしていなければなりません。わかりやすく表現すると、定まった基準以上に「冬温かくて、夏涼しい住宅」にする、ということです。松本地域ではUA値:0.6(W/㎡k)です。
例えば、施工時の改善。2重、3重の窓ガラス(ペアガラス・トリプルガラス)や樹脂サッシなど断熱・気密性能が高いものを使用することで基準をクリアしていきます。
注意点として、性能を上げるためにコストがアップしてしまったり、窓を小さく、または減らさなくてはいけないなどの間取り上の、デメリットが発生します
- 照明・換気・給湯・エアコンの4つの機器で使用されるエネルギー(基準一次エネルギー)が設計上の計算で、一般住宅よりも20%以上削減すること (省エネ性能)
■照明器具
LED照明にすれば問題なく基準をクリアできます。
現状はほとんどのハウスメーカーや工務店でLEDが基本となっていますし、LEDの照明器具の価格も落ちてきていますので、ZEH住宅ではなかったとしてもLED照明になるケースがほとんどです。
■換気設備
まず換気システムの基準は「24時間換気システム」が基本ですが、これは法律で定まっている部分です。どんな建築会社で家を建てようが、100%「24時間換気システム」になっていますので、気にする必要はありません。
換気のZEH基準の詳細として熱交換型換気設備は温度(顕熱)交換効率65%以上、熱交換型換気設備以外の換気設備は比消費電力が0.4W/(㎥/h)以下。となっています。
ほとんどの場合、熱交換器機能がついた換気システムの熱交換率は65%を超えますので、熱交換という機能がつけばZEH基準をクリアできます。
「熱交換型の換気扇」を簡単に言えば、外気を取り込むときに室内の熱を逃がさない換気扇、というものです。
■給湯器
エコキュート、エコジョーズ、エネフォームなど、電気やガスの高効率の給湯器を導入すれば問題ありません。
■エアコン
冷暖房設備に関しては、一定以上の省エネルギー能力を持ったエアコンを導入する必要があります。
基準値は冷暖房パワーと消費電量などで計算して「定格冷房エネルギー消費効率」というものを算出します。ZEH基準をクリアしたエアコンは省エネ性能が高く高額です。
特にハウスメーカーや工務店でZEH対応にする場合にワンセットになっている場合がありますが、そのエアコンをそのまま導入すると割高になるので、ご自身で探して比較検討するのもいいかもしれません。
- 再生エネルギーも加えた設計一次エネルギー消費量が、基準一次エネルギー消費量から100%以上削減される必要がある (創エネ)
太陽光発電と蓄電池、エネファームなどなど再生可能エネルギーシステムと再生可能エネルギーを導入していること。高効率な設備が導入されていること。また、日常のエネルギーだけではなく災害時のエネルギー補充もできる家を目指しています。
ZEH仕様にするには、太陽光発電システムを設置しなくてはいけません。
システムの発電量は住宅性能や各種設備によりますが、一次消費エネルギー(見込み計算したもの)を100%補える、つまり収支がプラス(0以上)になるだけの量を設置すれば良いわけです。
創エネの柱でもある太陽光発電の売電価格は、年々下落していることから売電収益という点で、期待できない可能性があります。2019年の売電価格は、24〜26円(住宅用太陽光発電の場合)となっており、今後も下落していくことが予想されています。
ZEH住宅とは何か、お分かりになりましたか?
ZEH住宅であれば、オール電化住宅なのでガス漏れによる火災等のリスクを除くことができたり、停電時でも太陽光発電などのエネルギーを創るシステムが備わっているため緊急時の代替エネルギーとして活用したりすることができます。
しかしZEH化住宅を設置するためには、通常の建設・内装費用にプラス250〜300万円かかると言われています。
ZEH住宅を検討するなら、たとえば「ZEH住宅をたくさん建てたことがある経験値の高い建築会社」や「ZEH仕様にするときのコストアップの金額(オプション金額)が低い建築会社」など基準に探せば、ZEHが得意な建築会社が見つかるかもしれません。
ぜひ後悔の無いよう慎重に判断して頂けたらと思います。