古くなった家を建て直して新築を建てたいけど、解体費用ってどの位かかるの? そんなご相談が増えてます。
解体費用によって建て直しの金額が変わってきますから、少しでも安いほうがいいですよね!
しかし、2022年4月からは建物解体前にアスベスト(石綿)が使われているかどうかの事前調査が必須となり、アスベスト使用の有無を行政機関に報告しチェックを受けることが義務付けされます。
こちらの費用はお施主様の方で負担することとなります。
アスベストが含まれている場合、解体費用が倍になることもあるそうなので、駆け込み解体が起こるのではと言われています。
今回は古屋の解体、建て直しを考えている人の為に、
「解体費の内容、アスベストが使われていた場合の対応、解体するのに少しでも安くするポイントは何か」を考えてみました。
改正大気汚染防止法によりアスベストの規制が強化されていますが、全てのアスベスト含有建材が規制対象となることで、施工業者はより適正な処理が求められ、そのための費用が見積りに反映される可能性があります。
今年4月からさらに強化されるのが、解体工事を行う前に義務付けられている、アスベスト調査です。
このアスベストとは、「せきめん」や「いしわた」とも呼ばれる天然の鉱物繊維のことです。
熱や摩擦に強いという特性から建材のほか、自動車や電気製品などにも使用されてきましたが、発がん性などの有害性が問題となり、現在は使用禁止になっています。
一般的にアスベストが使われているかもしれない建物の目安としては、「1955年から1975年に建築された建物」が挙げられます。
調査して使用されていると判定された場合は除去する費用がかかります。
除去費用は使用されている場所や量によって変動し、20万円から数百万円までかかるなどさまざまです。
通常の解体費
木造なら3万~5万円/坪、鉄骨造なら4万~6万円/坪、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造なら6万~8万円/坪などが目安とされています。
さらに使用されている建材や複雑建築、建物地下に構造体がある場合も解体費用が上がります。
<一戸建ての解体費用の例>
●建物自体の解体費用
●付帯工事費用(アスベスト撤去費用、作業・工程追加のための人件費など)
●建物以外の塀や庭木などの撤去費用
●廃材処理にかかる費用
●整地にかかる費用
また、重機が入るスペースがあるかなど、立地条件でも変わります。人力で解体する部分が増えると、どうしても時間と労力が余計にかかってしまい、その分が費用に上乗せされるということです。
一言で言えば「解体しやすい立地かどうか」が費用を決める大きなファクターになります。
どんな立地条件でどのくらいコストがかかるのかは、それぞれ個別に判断しなくてはいけないため、しっかり現地を確認してもらい、見積もりを出してもらいましょう。
解体予定の建物にアスベストが使われていた場合の対応は?
吹き付けのアスベスト処理は、専門の業者でないとできません。
アスベスト処理工事では、防護服、防護マスクなど消耗品が必要になります。
アスベスト除去工事には、作業方針の決定や労働者の指揮、除去において必要な装置類の点検などの責任者「石綿作業主任者」と、産業廃棄物の正しい後処理を行う「特別管理産業廃棄物管理責任者」の資格者を置くことが義務付けられています。
アスベストは特別廃棄物として、廃棄物処理法により安全な廃棄方法が定められており、専用の産業廃棄物ポリ袋を使用します。
しかし、中には専用のポリ袋の費用を削減する為に、普通のポリ袋を二重にして捨てる業者もいるようです。そうすると、周囲に飛散する恐れがあり、周辺住民、作業員にとっても大変危険です。
除去したアスベストは粉じんがまき散らないように飛散防止剤を塗布し、専用のポリ袋を二重にして、管理型最終処分場にて処分しなければなりません。
鉄骨造は気を付けて!
鉄骨造については、アスベストがあるか、無いかの証明を添付しないと解体に着工出来なくなるようです。
特に鉄骨造の梁や天井、柱に吹き付けられている場合が多いため、除去面積が広くなる傾向にあるため、総額の除去費用は高くなりやすいです。
また、アスベストのレベル1は最もアスベスト濃度が高く、飛散性も高いため、慎重な作業が必要です。そのため、費用も高くなります。
アスベストはあらゆる材料に使われており、特定建築材料に核当する建築材料として特定建築材料の区分だけ表記しておきます。
吹付け石綿、石綿を含有する断熱材、保温材、耐火被覆材、仕上塗材、成形板等
などで、建築材料の具体例なども調べるとわかります。
解体費用を安くするポイント
なるべく出費を抑えて解体を行いたいという人のために、どのようなことをすれば良いのでしょうか?
自分で処理できるものを処理することが一番ですがその他にも方法がありますので紹介します。
- 自社で建築も行う不動産会社は解体についての知識を豊富に持っていることもあります。
古家付きの土地を買い取り、自社で解体、再販する業務を行っているからです。
こうした会社であれば、大体の相場観など、解体について親身に相談に乗ってくれるでしょう。
- 事前に敷地内の雑草や庭木、不用品を処分する
解体工事の内訳に付帯工事という項目があります。これは建物本体の工事とは別の工事にかかる費用を指します。
具体的に挙げられるのが庭木や雑草の処理などです。
このコストをカットできれば全体の解体費用を圧縮できます。
自分たちで事前に庭木や雑草などを伐採したり、処理しておきましょう。
- 家具や電化製品などの家財も解体業者に処分をしてもらうことが可能です。
もちろん任せてしまうとその分費用が割高になります。
面倒がらず、家具家財関係もあらかじめ自分で処分するとコストカットにつながります。
特に廃プラスチックを中国に輸出出来なくなった事により、より受け入れ先がパンク、高い処分価格となっているようです。
ここまでアスベストの解体費用相場の目安を見てきましたが、通常の解体工事費用に加えてアスベストの除去費用も加わると非常に高額になると不安になる人も多いと思います。
しかし、アスベストの含有調査と除去工事には地方公共団体が補助金を出している場合がありますので、必ず事前に確認しておきましょう。
地球環境に対する意識は年々若年層を中心に高くなっていますが、建てる時に解体の事も考えて、人に、地球に害のないものを使用していきたいですね。